- 「やっぱり出汁が効いたお味噌汁って、美味しいよね」
- 「でも出汁って、昆布を長く浸しておいたり、火にかけたりって面倒」
- 「鍋じゃなく、もっと簡単に出汁がとれないかなぁ・・・」
ふわっと立ち上がる味噌の香りとコク。
ネギ、わかめ、豆腐、ほうれん草に油あげ・・・好きな具材が入った「日本の味!」と言えば、お味噌汁ですよね。
朝ご飯に飲めば、「今日一日頑張るぞ!~」と思えるし、夜ご飯なら「あぁ~ホッとする」、そんな時間をもたらしてくれます。
しっかり出汁をとって、昆布やかつお節の旨みをきかせた味噌汁なら、その味はより一層深みを増します。
最後の晩餐は、わが家の味噌汁が良い!
でも、実際に出汁をとるのって、時間がかかって大変。あらかじめ昆布を水に浸しておいたり、火にかけて沸騰前に昆布を取り出し、次にかつお節・・・。続けるのは、なかなか面倒です。
そんな方のために、鍋を使わず、ストレーナー付ポットを使用した出汁の取り方の紹介をします。
この記事を読めば、鍋を使わずとも、10分ほどで簡単に出汁をとる事ができます。前の晩から用意する手間もありませんから、時短にもなって、続けやすいですよ。
出汁には旨み成分が豊富。
かつおや、昆布からとった出汁には、旨み成分が豊富にふくまれています。
かつお節には核酸系旨み物質であるイノシン酸が、昆布にはたんぱく質を構成するアミノ酸の一種であるグルタミン酸が多く含まれています。
これら旨味成分は、単体で使うよりも複数の種類を組み合わせることで、格段に味が美味しくなるとされています。それを「旨味の相乗効果」と呼びます。
旨み成分がたっぷり入った出汁を組み合わせて使用する事で、料理そのものの味がさらに美味しくなります。
自分で出汁をとれば、減塩になる!
時間と手間をかけてわざわざ出汁を取らなくても、顆粒だしを「ちょちょっ」と振りいれれば、簡単に、おだしの味はします。
しかし昆布やかつお節などで取った出汁の方が、減塩にもつながってきます。
日本食品標準成分表によると、かつおだしに含まれる食塩相当量は、100gあたり0.1g。昆布だしであれば100gあたり0.2g。かつお・昆布だしであれば0.1gです。顆粒だしの場合は、100gあたり40.6g。
かつおだし | 昆布だし | かつお・昆布だし | 顆粒和風だし | |
100gあたりの食塩相当量 | 0.1g | 0.2g | 0.1g | 40.6g |
味噌汁150mlに対して、仮に1gの顆粒だしを使用するとしたら、塩分は0.406gです。でも、自分でとったかつおと昆布の合わせだし、150mlを使用した場合なら、塩分は0.15gです。
自分でとっただし汁であれば、塩分量が自然と抑えられます。
生活習慣病を心配する世代の方にとって、このように塩分を少なくできる事は、大きなメリットです。仮に減塩を意識していない人でも、出汁の旨みに慣れておけば、自然と減塩した食生活につなげる事ができます。
出汁の取り方:ストレーナー付ポットなら簡単
ストレーナーがついたポットであれば、簡単に出汁をとる事ができます。熱湯を注ぐ方法と、電子レンジでチンする方法の2つを紹介します。
昆布とかつお節の量ですが、多ければ良いというものではありません。
水の重量に対して昆布は1~2%、削り節は2~4%が適量です。
おいしいだしは材料を多く使えばとれるのではなく、削り節は水の重量に対して2~4%が抽出率がよく、8%以上では渋みが出る。材料の使用量とうまみ成分浸出率は比例しない。
『ロジカル和食』 前田量子 主婦の友社
出汁の取り方:熱湯を注ぐ方法
鍋で取る時は、昆布を水に浸し、その後かつお節を入れますから、昆布→かつお節の順番で旨みを出していきます。
しかしポットに熱湯を注ぐ場合は、これと逆になります。熱湯で削り節のエキスを出し、その後冷めるにしたがって、昆布のうまみ成分をゆっくり浸出していきます。
- 熱湯500ml(出来上がり450ml)
- 昆布:5~10g(※水の重量の1~2%)
- かつお節:10~20g(※水の重量の2~4%)
昆布を切って、こし網の中に入れます。
細かく切った昆布を、ストレーナーがついたポットに入れます。
かつお節を入れます。
昆布を入れたら、その上にかつお節を入れます。
熱湯を注ぐ
約90℃の熱湯を注いで、冷めるまで置いておけば、でき上がりです。
出汁の取り方:電子レンジでチンする方法
出汁専用のポットを使用した、レンジでチンする方法もあります。
こし網の中に、細かく切った昆布とかつお節を入れ、ポットには水を注いで置きます(※写真左側)。
こし網をポットに静かに入れたら、電子レンジでチンします(写真右側。管理人が使用している出汁ポットの場合ですと、加熱時間は600w7分です。)
チンした後は、こし網をポットの上に固定し、雫を下に落とします。電子レンジですと、熱湯を注ぐ時より濃いめの出汁がとれます。水800mlで700mlの出汁が取れました。
実際に、昆布とかつお節でとった出汁です。出汁以外のものは、何も入っていません。
何も入れない出汁そのものの味を、味わってみて下さい。これだけで、旨み十分です。
これだけで飲んで、美味しかったよ!
左が1回目にとった出汁です。右が1回目の出し殻から、再度とった出汁です。
※冷蔵庫で保存する際は、だしがらは除き、だしのみで保存。2~3日で使いきって下さい。
出汁の深~い味わい。「あぁ~味噌汁でいい湯だな!」
とったばかりの出汁を使用して、お味噌汁を作りました。
出汁が効いたできたてのお味噌汁って、格別に美味しいですよね。
管理人は、朝飲む事が多いのですが、その時は気持ちがシャキっとします。夜なら、疲れた体を温かい湯で癒やしている時のような、「ほぁ~、極楽、極楽~!」といったお味です。
だし巻き卵も作りました。卵3個に対して出汁を50ml使用しています。出汁の香りと、し~っとり滑らかな味わいの卵焼きです。お弁当に入れても、パサパサしませんから、おすすめ。
「鍋いらずで簡単に出汁がとれる!方法」の紹介でした。
このように、鍋に火をかけなくとも、ストレーナーがついたポットを使用すれば簡単に出汁をとる事ができます。
普段の料理を美味しく作るには、続けていける事も大事な要素です。
鍋で出汁をとるのは大変でも、ポットを使用すれば、出汁の旨みを味わえるだけでなく時短にもなりますから、続けていきやすいですね。
もちろん、忙しいから「出汁はとらないっ、顆粒でOK!、インスタントOK」という時も。
その時の状況に応じて、お鍋で出汁をとったり、ストレーナーを使用したり、顆粒だしでチャチャとお手軽に作ったり、色々工夫してみるのが良いですね。
最後まで読んでくれてありがとう!
また次の記事で!